毛包とは
髪の毛の根っこである毛根を保護する「毛包」について解説します。
毛包の役割
毛包とは、別名「毛嚢(もうのう)」とも呼ばれる髪の毛を生産するための皮膚付属器官です。毛穴の中に陥入した状態で存在し、汗腺と皮脂腺が不随しています。
毛包には髪の毛の生産だけでなく毛根の保護、皮膚呼吸による水蒸気の発散、皮脂の分泌、汗の発散など体内で不要になったものを体外に排出させ頭皮環境を調整する役割があります。
毛包の数について
毛包は私たちがまだ胎児として母体内にいる間に上皮と非上皮性組織の間葉が分化して作られます。毛包の形成によって頭皮を含め全身の毛の本数が決まり、生まれる前の段階ですでに決まっていると考えられています。
毛包の数は髪の毛の密度にも密接に関わってきますが、毛包の数自体を後から増やすということはできません。
毛包とヘアサイクル
毛包はヘアサイクルと連動しています。
毛包ごとにヘアサイクルが異なり、毛包から生えている髪の毛はいわゆる「生え変わり」という状態を繰り返します。
簡単にヘアサイクルを説明すると
髪の毛が伸びる「成長期」
成長が止まる「退行期」
抜け落ちる「休止期」の3つからサイクルが成り立っています。
日本皮膚科学会によると下記のように解説されており、成長期の毛包と退行期を経た毛包の両方が存在します。
約85~90%が成長期の毛で、10%弱が休止期の毛です。
成長期に大きく成長した毛包は退行期、休止期で髪が抜け落ちるのに合わせて徐々に縮小します。また、休止期中は毛包自体も活動を停止します。
なお、ヘアサイクルが乱れると毛包もその影響を受けます。
毛包の成長は髪の毛の成長と連動しており、毛包がしっかりと成長しなければ健康で太い丈夫な髪は育ちません。そのため、毛包にとっても髪の毛にとってもヘアサイクルの成長期は大変重要な時期となります。
ヘアサイクルの乱れによりこの成長期が短期間となると毛包が十分な大きさになる前に退行期、休止期に入るため成長不十分な柔らかくコシのない軟毛が生えてくるようになります。