塩化カルプロニウムとは
塩化カルプロニウムは脱毛症治療薬の一種です。その作用について解説します。
塩化カルプロニウムの作用
塩化カルプロニウムには塗布した部分の血管を拡張する作用があります。
頭皮の血流を改善し、頭皮環境を改善することで発毛を促す効果があるとされており、市販薬(カロヤン)や処方薬(フロジン外用薬、アロビックス外用薬)等で目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
塩化カルプロニウム自体は、AGAのみならず円形脱毛症やびまん性脱毛症、壮年性脱毛症など様々な脱毛症状の治療に用いられているほか、尋常性白斑などの皮膚治療にも使用される場合があります。
男性型脱毛症診療ガイドラインにおける塩化カルプロニウム
公益社団法人日本皮膚科学会が作成した男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)ではAGAの治療について塩化カルプロニウムを用いることについて下記のように記しています。
塩化カルプロニウム単独での有益性 は,現段階では十分に実証されていないが,生薬との 合剤を含むわが国での膨大な診療実績も考慮し,外用 療法の一つとして推奨することにする.
推奨度としてはABC順で三番目に高いC1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)が設定されています。そのため、病院によっては処方されていない場合があります。
塩化カルプロニウムの副作用
塩化カルプロニウムの主な副作用としては下記が挙げられます。
・全身発汗
・塗布部分の発赤やかゆみ
・吐き気、嘔吐
・悪寒
塩化カルプロニウムは血管拡張作用があることから、入浴直後など血流が良くなっている状態で塗布すると副作用が強く出る場合があります。
これらの副作用症状が現れた場合には、塗布部分を洗い流しましょう。