【医師が解説】AGAとストレスの関係
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最近、生え際や頭頂部が薄くなったと指摘されることが多く、AGAかもしれないと落ち込み、かなり悩んでいます。
そのことがとてもストレスなのですが、ストレスでAGAが余計に悪化することはあるでしょうか?
AGAの直接の原因は、たびたびこのコーナーでもお話ししている「5αDHT(髪にとっての悪玉男性ホルモン)」による正常な髪の生え変わりシステムの乱れです。本来2~7年おきに生え変わる髪の毛が、非常に短いサイクルで生え変わるようになる事で抜け毛が増加し、やがて毛根の委縮が伴い産毛化していく事で頭皮が露出していきます。ゆえに、そのメカニズムとストレスが直接的に関わる事はありません。
しかしながら、ストレスをはじめ睡眠や食事などの健康な生活を行うにあっての構成要素は、それらが乱れる事で間接的に影響がないかと言えば、それもまた違うと思います。外出が億劫になったり、人と話のできないような極端なストレスや、極端な睡眠不足、絶食に近いような過激なダイエットなどが、その間接的な影響にあたると思います。
ただし、そもそもの直接的な原因がAGAにはありますから、あくまで直因ありきの脱毛症だとお考え頂ければよいと思います。
またAGA以外の脱毛症を考えた場合、円形脱毛症や抜毛症(知らず知らず自分で髪を抜いてしまう)などは、ストレスが原因になる場合があります。円形脱毛症の場合は保険診療を受ける事が出来ますので、お近くに皮膚科にご相談いただければと思います。