女性の薄毛「FAGA(びまん性脱毛症)」って何?
あなたはびまん性脱毛症についてご存知ですか?
髪全体のボリュームがなくなってきた。
分け目が目立つようになってきた。
もしかしたらそれはFAGA(びまん性脱毛症)による症状かもしれません。
FAGAは40代,50代女性にとって珍しくない脱毛症なので、FAGAが発生するメカニズムや治療に関する知識を身に着けておきましょう。
FAGA(びまん性脱毛症)とは
FAGAとは「FemaleAndrogeneticAlopecia」の略称です。
男性型脱毛症の略称であるAGAにFemale(女性)を加えた単語で、別名「女性男性型脱毛症」とも呼ばれています。
女性に現れる脱毛症の1種です。
びまん性脱毛症とFAGAについては同義語として使用されることがよくあります。
2017年4月現在では、びまん性脱毛症に対しての診療ガイドラインがまだ作成されていない為、症状についても定義がされていません。
病院や医療サイト、論文では「頭部全体に対して広範囲に広がる脱毛症」としてびまん性脱毛症という名称が使用されています。
詳細は後で紹介させて頂きますが、FAGAの症状も脱毛症状が広範囲に広がって起きるという特徴があるということを覚えておいてください。
そのため、FAGAを指す病名としてびまん性脱毛症が用いられることもあり、FAGAは何の病気か知らないけれど、びまん性脱毛症は知っているという人が多いかもしれませんね。
ここでは、FAGAはびまん性脱毛症と同じものだと考えてください。
FAGAの症状
FAGAによって現れる症状は抜け毛の増加、髪の毛の質の低下です。
髪の毛が全体的に薄くなったり、細くなったり見た目に大きく影響します。
もともと男性よりも髪の毛が細く柔らかい女性の髪の毛は、FAGAによる髪の質が低下してしまうと千切れやすく抜けやすい耐久力の低い状態に変わってしまいます。
シャンプーをした時に普段より多く毛が抜けたり、髪の分け目が薄いと感じる等の前兆があるので気が付いた時にすぐに治療を開始する必要があります。
FAGAが発生するメカニズム
FAGAの主な原因とメカニズムをご紹介します!
あなたの症状に当てはまるものがあるかどうか確認してみましょう!
ホルモンバランスの変化
髪の毛の発達をサポートする女性ホルモン「エストロゲン」が年齢やストレスが原因となり減少することにより、女性の体内にも存在する 男性ホルモン「テストステロン」とのホルモンバランスが崩れます。
女性の体内ではテストステロンの量よりもエストロゲンの量の方が圧倒的に多いため20代、30代の内にFAGAの発症率が低いのですが年齢を重ねることによりエストロゲンの量が低下してしまうと、今まで抑制していたテストステロンの量が増加し、5αリダクターゼと反応することによりジヒドロテストステロンが生成されてAGAと同じように抜け毛の原因になります。
睡眠時間の低下
しっかりと睡眠時間を確保しないとあなたの髪の毛を育たせる環境が乱れてしまいます。
睡眠時間に分泌される成長ホルモンによって細胞分裂が促進されることにより髪の毛が育ちます。
成長ホルモンが分泌される時間帯にしっかりと眠ることが出来ていないと髪の元である毛母細胞が十分な分裂ができません。
睡眠不足は直接的なFAGAの原因にはなりませんが、健康で丈夫な髪の毛が生えなくなる一因となるため、ぜひ気を付けていただきたいポイントとなっています。
なお、入眠から最初の3時間に成長ホルモンが多く分泌されるため質の良い睡眠をとることが重要とされています。
薄毛、抜け毛を予防するためにも心地よく眠れる工夫を取り入れてみましょう。
食生活の乱れ
髪の毛を作るためには当然ですが栄養素が必要です。
ダイエットや食事制限、肉ばかり食べるといった偏った食生活を続けていると髪の毛に届く栄養素が不足してしまいます。
ジャンクフードやお菓子ばかりを食べていると脂質摂取量が増えてしまい血行不良を招く原因となり頭皮に栄養が届けにくくなってしまい抜け毛の原因になります。
全く食べない、〇〇しか食べないといった偏った食事ではなくバランスの良い食事を摂る必用があります。
間違ったシャンプー方法
髪の毛や頭皮は普段から清潔にすることが大切ですが、シャンプーの方法を間違えてしまうと清潔にするどころか薄毛、抜け毛の原因を作ってしまいます。
シャンプーは洗浄力が強いので、2回3回と洗ってしまうと頭皮の健康に必要な皮脂まで洗い流してしまい乾燥の原因になります。
温かいシャワーを頭皮にあてながら指の腹で余分な皮脂を落とした後に軽くシャンプーをするだけでしっかりと汚れを落とすことが出来ます。
シャンプーが泡立たない人は皮脂の量が多いことが原因になっています。
あらかじめお湯洗いをしておくことで、すぐに泡立つので複数回シャンプーを使わないように気を付けましょう。
男性型脱毛症(AGA)との違い
びまん性脱毛症と男性型脱毛症には症状の違いがあります。 どこから抜け毛が広がっていくか等の進行パターンが異なっているので あなたが発症した時の為に知識を身に着けておきましょう。
脱毛する部位の進行パターンが異なる
男性型脱毛症は前髪の生え際と頭頂部から抜け毛、薄毛が広がる傾向がありますがびまん性脱毛症は頭頂部から抜け毛が発生し、悪化すると頭全体に広がります。
これら2つの大きな違いは進行部位の違いです。
男性型脱毛症は症状が出た場所を中心に抜け毛が発生しますがびまん性脱毛症は症状が出始めた場所を中心に広範囲に症状が広がることで髪の毛が全体的に薄くなる傾向があります。
そのため男性型脱毛症のように前髪だけ抜け毛がひどいという事が少なく全体的に薄毛になる傾向が多いのです。
FAGA治療で知っておきたいポイント
FAGAの治療をするにあたって、意識しておきたいポイントがあります。
それはFAGAの治療方法は人によって変化するということです。
「FAGAになったらこの薬を使わなければいけない」という概念は捨てましょう。
FAGAの原因は大きく分けて3種類紹介したと思います。
それらの原因からあなたの症状を診断し、薬を使って治療をするのか生活習慣の改善アドバイスで済ませるか等の治療法を医師と相談して決めます。
1つの治療法にこだわらないことがFAGAの治療の近道となります。
FAGAの3つの治療薬
FAGAの治療に使われている3つの治療薬について解説させて頂きます。
ミノキシジル
男性型脱毛症(AGA)の治療にも使われている発毛成分です。
女性に処方される場合にはミノキシジルの配合量を女性用に調整されたものが出されます。
血行促進の効果により、頭皮の毛母細胞に栄養を補給しやすいように環境を整える成分です。
妊娠中、授乳中の女性には使用が禁止されています。
パントガール
薄毛、抜け毛の経口治療薬です。 髪の成長に必要なビタミンやアミノ酸などの有効成分が含まれており栄養不足で脱毛症状が現れている環境に有効です。
12歳以下の子供、妊婦に対する臨床試験が行われていないので原則処方が禁止されています。
パントスチン
アルファトラジオールという女性ホルモンを主成分としているFAGAの治療薬です。
5αリダクターゼの働きを阻害することによりジヒドロテストステロンの生成を妨げ、脱毛の進行を防ぐことが出来ます。
アルコールが含まれている為、使用の際には環境を考える必要があります。
まとめ
びまん性脱毛症(FAGA)についての知識、AGAとの違いについて紹介させて頂きました。
治療法もAGAとは違い生活習慣の改善だけで効果を得ることが出来たり治療薬が男性用のものと変わったりなど様々な違いがあることを知って頂けたと思います。
最近では女性の薄毛対策に対応している病院も増えてきているので薄毛や抜け毛に悩んだ時には一人で抱え込まずに、病院で相談に乗ってもらいましょう。
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