薄毛治療は何から始めるべき?治療のポイントまとめ
朝起きた時、枕元に大量の抜け毛が落ちている。
シャンプーやヘアセットのたびに髪が抜けていく。
生え際や髪が以前よりも広がってスタイリングが上手くいかない。
日常生活で、ふとした時に髪の変化を感じる方も多いのではないでしょうか。変化に気づいたとしても、急には何をどうしたらいいかは分からないですよね。
今回は、薄毛が気になり始めたけれど何をすべきか迷ってる方に向けてケース別に対処方法を解説します。
薄毛に悩む人は男女共に大勢いる
現代の日本では薄毛に悩まれている方は非常に多く、その数は1200万人とも言われています。
成人男性では4人に1人、成人女性では10人に1人の方が自身の毛髪に対する問題を抱えており、こうした悩みは決して他人事ではないと言えます。
年代別でみると、男性では20~30代の方が薄毛を気にする傾向が最も強いと言われています。年齢的に若く、恋愛や結婚の適齢期でもあることを考えると薄毛に対して敏感になるのは当然のことでしょう。
一方、40代以降の男性は家庭を持ち、社会的にも落ち着いているため、若い世代に比べると薄毛に対する悩みはやや減少する傾向にあります。
これに対して、女性では年代が上がるごとに薄毛に対する悩みは強くなっていきます。
薄毛に悩む女性の割合は20~30代ではそれほど多くはありませんが、40代、50代、60代と年を重ねるにつれて右肩上がりに上昇します。
女性の薄毛にはエストロゲンやプロゲステロンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量低下が関係すると言われています。
40代以降、更年期にさしかかるとこれらのホルモンの分泌量が著しく減少するため、薄毛や白髪といった症状に悩まされる女性の数は急増します。
また、女性はいくつになっても豊かな頭髪を維持したいという思いが強いため、薄毛に対する不安や悩みも一般に男性と比べて大きく、年齢とともに解消されることもありません。
このように、薄毛に対する悩みは男女問わず広く蔓延しており、国民生活に深く根差した問題となっています。
何から薄毛治療を始めるべきか
薄毛治療には幅広い選択肢があり、年齢、性別、症状の程度など各自の状況に合わせて最適な方法を選択する必要があります。
以下に各状況に応じた代表的な治療法をいくつかご紹介いたします。
未成年者の場合
未成年の方にとって薄毛は特に深刻な悩みであり、年配の方と比べても精神的ダメージは大きくなる傾向にあります。
その一方で、未成年者は年齢的な理由により受けられる治療の種類に制限があるため注意を要します。
例えば、一般にAGAの治療に幅広く用いられているフィナステリド(商品名:プロペシアなど)やミノキシジル(商品名:リアップなど)は未成年者に用いることができません。
これは、フィナステリドやミノキシジルでは未成年者における安全性が確立されておらず、これらの薬の添付文書にも「小児等に対する適応はない」と明記されているためです。
フロジン外用液や医薬部外品の育毛剤などは用いることはできるものの、上記の薬と比べて効果が見劣りすることは否めません。
また、HARG治療法や自毛移植といった有効性の高い治療法を選択することもできますが、一般に治療費は高額であり、治療に際しては保護者の同意書や同伴も必要になります。このため、家族に知られないように治療したいという方にはこうした治療法は向かないと言えます。
それでは薄毛に悩む未成年の方はどのような治療を行えば良いのでしょうか。
症状が軽度であれば、サクセスなどのトニックを用いたうえで、栄養バランスを改善する、頭皮環境を清潔に保つ、シャンプーを低刺激性のものに変える、十分な睡眠をとるなど、生活習慣の見直しを図ることで改善することもあります。
しかし、こうしたケアによっても一向に改善しない方や、重度の薄毛に悩まれている方は、保護者の方と一緒に専門のクリニックを受診し、医師と面談しながら自毛移植なども含めた最適な治療法を検討することをお勧めします。
軽度の薄毛の場合
薄毛の進行が軽度であり、治療にそれほどお金をかけたくないという方は市販薬を用いる方法もあります。現在、薄毛治療のOTC薬(市販の要指導医薬品)として大正製薬からミノキシジルを主成分とするリアップシリーズが発売されています。
リアップシリーズは第一類医薬品のため、成人の方であれば薬剤師のいるドラッグストアや薬局で購入することができます。
リアップシリーズで最も効果が強いと言われている「リアップX5プラス」を用いた場合でも一ヶ月当たりの薬代は7000円程度です。
一般に薄毛治療は長期に渡って継続する必要があるため、費用を安く抑えたいという方にとっては市販薬での治療も選択肢の一つとなるでしょう。
ただし、市販品のリアップに配合されているミノキシジルと各種クリニックで処方されるミノキシジルでは濃度が異なり、効果の強さも変わってきます。
OTC薬による治療を6ヶ月以上続けても改善効果が見られない場合は、クリニックで専門医の診察を受けることをお勧めします。
重度の薄毛の場合
重度の薄毛に悩まれている方にはクリニックの受診を第一選択として考えることをお勧めします。
市販薬による治療は費用が安い分、効果にも限界があります。
また、薄毛は早期治療が重要であると言われており、重度の人ほど治療において回り道をしている余裕はなくなります。
一刻も早くクリニックを受診し、専門医の指導の下で適切な処方薬を用いた治療を開始することこそが症状改善への一番の近道となるでしょう。
通院に抵抗を感じる方も多いかもしれませんが、最近ではスマホやPCを用いた遠隔診療を実施するクリニックが増えてきています。自身の状況に合わせて利用を検討してみるのもおすすめです。
女性の場合
一般に女性はクリニック受診に抵抗を感じるため、市販薬での治療を希望される方が多い傾向にあります。
しかし、女性の薄毛にはホルモンバランスの乱れが大きく影響していると言われており、治療にはこうした根本となる原因の解決が必要となる場合が多々あります。
このため、女性の場合はOTC薬のみに頼るのではなく、ホルモンバランスや更年期症状の改善を含む、多角的な治療を行うことのできるクリニックを受診されることが望ましいと言えます。
確かに女性にとって薄毛の悩みを第三者に知られるというのは心理的な負担も大きく、できれば誰にも知られずに治療をしたいと思う方が大半です。
しかし、先述の通り女性の薄毛は男性よりも複雑な場合が多く、医師の診断の元で治療を行うことが薄毛改善の早道です。
現在は女性専用のクリニックも数多くあり、専門のスタッフが親身になって相談にのってくれます。初めての方でも安心して受診できるため、過度の心配は不要と言えるでしょう。
治療におけるポイント
治療は「6ヶ月以上」持続するのが前提
薄毛治療を始めるにあたって注意すべきポイントの一つに治療期間があります。
一般に、AGAやFAGA(びまん性脱毛症)などの薄毛治療は6ヶ月以上の長期に渡って行う必要があります。
これは、市販薬にも処方薬にも当てはまり、効果を実感するには毎日、根気よく薬を使い続けなければなりません。
中には、効き目が見られないからといって途中で治療を投げ出してしまう方もいらっしゃいますが、これは間違いであり大変もったいないことです。
これから治療を開始される方は、薄毛治療はじっくりと腰をすえて取り組むものだということをしっかりと頭に入れておくことが大切です。
AGAには治療期限がある
治療期間と同様に治療を開始するタイミングも注意すべきポイントとなります。
薄毛の中でも特にAGA(男性型脱毛症)は治療期限があると言われています。これは、AGAは発症から治療開始までの期間が長い人ほど、治療効果が出るまでに時間がかかってしまうことを意味します。
このため、AGAの発症に気づいたらできるだけ早いタイミングで治療を開始することが重要となります。
また、症状が進行した重度のAGAの方では、リアップなどの市販薬では効果発現にかなりの時間を要する可能性があります。
したがって、こうした方はクリニックを受診して、より治療効果の高い処方薬での治療を開始することをお勧めします。
加えて、AGAは治療開始後3~6ヶ月が最も治療効果が良く出る時期と言われています。
この時期にどのような治療を行うかが改善の程度に大きな影響を与えるため、症状が進行してから治療を開始される方は、こうした意味においても初めから専門医の下で処方薬による治療を受けることをお勧めします。
「鉄は熱いうちに打て」という諺は薄毛治療にも当てはまります。思い立ったらすぐに行動に移すことが大切であると言えるでしょう。
まとめ
中学生、高校生から大人まで、年代や性別を問わず薄毛に悩む方はたくさんいらっしゃいます。そして、薄毛が気になりだした時にまず何をするか誰しもが悩むものです。
症状が軽度の場合や未成年の方は市販薬で治療を試みるのも有効な手段ですが、薄毛がかなりしている方や早期治療を望む方はクリニックを受診するのがおすすめです。
クリニックを受診することに抵抗を示される方も多くいらっしゃいますが、そういった場合は自宅から医師の診察を受けられる遠隔診療を利用してみてはいかがでしょうか。
自分に合った方法で、薄毛を治療しましょう!
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